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スライディング・ヘディングシュート2


3000坪の冒険と、時々音楽すごく映画。たまにサッカー
by frat358
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インディーという名の開拓地

インディーという名の開拓地_c0027929_22254042.jpg

ハヤブサが亡くなりました。
あんまり詳しくないので書くべきじゃないなって思ってたんですけど、
ハヤブサの事を思うと、インディーという場所を
考えずにはいられないので、ちょっとだけ書こうと思います。
基本的に世の中はメジャーと呼ばれる団体や
企業に就職しないと、やりたい職業には就けないようになっていました。
そこで落選した人は夢を諦めるしかなかったんです。昔はね。
でも、時代は変わっていきました。音楽の世界でもネットワークが発達して
レコード会社と契約しなくてもデータ販売できるようになったので、
大量のCDを作る必要もなくなったし、会社と契約を切られても
根強いファンが支え続けるならば好きな事を単独で続けたり、
始めたりする事が出来るようになりました。
映画もデジタルが発達し、かなり安価で
映像機材が購入できるようになって
低予算ながらも好きなものを世に出しやすくなりました。
プロレスの場でも、有刺鉄線や電流爆破といった企画が大ウケして
メジャー団体を引退した選手や、オーディションで落ちた子などが
次々と集まり始め、インディーを支えるファンを小規模ながらも
全国で生み出していった事もあり、プロレスのインディー団体は
乱立する時代を迎えていきました。

ハヤブサ選手が所属したFMWは、インディーの中でも
大きな団体でした。ハヤブサはエースであり、スターでした。
動きの1つ1つに独特の華があって、立ってるだけでも美しかったし
キレのある動きは、生で観戦するファン達を本当に楽しませてくれた。
ただプロレスというのは、サーカスのように移動しながらの興行なので
宿泊施設や移動バスの確保、会場のセッティングに後片付けなどなど
極めて肉体的にも精神的にも要求が激しい世界です。
インディーは円滑に物事を進める為の人数が足りないとか、
予定していたギャランティーの確保が難しいとか、
様々な事が発生しやすい場でもあります。

本当に好きな事を見つけて、本当に好きな事で生きるのは
幸せな事です。だからこそ頑張れるのですが、
だからこそ日常的に無理もしてしまう。
法的に違反な行為や状況も、見て見ぬフリをするのが常態化していく。
そして一線を越えたとき・・・
ハヤブサのような悲劇が起きてしまうのでは、と。
彼の頚椎を破壊した試合の映像は、
当時ケーブルテレビなどで普通に放送されました。
しかしこんなの放送していいのか?って思うほど恐ろしい映像で、
プロレスが分からない人に簡単に説明するなら、
高い位置からのバク転を、頭から落ちた感じでした。

ハヤブサはスター選手で、彼が試合に出れないのであれば
試合を見に来ない観客も沢山発生します。ハヤブサもそれを分かってたし
自分の責任を、これ以上ないほどに感じながら試合をしてたと思います。
疲労でボロボロの状態でも試合に出たハヤブサは、
肉体がマトモに動かなくても観客が見たいと思っている技にトライし、
そして・・・頚椎を損傷しました。残酷な言い様ですけど
彼が手抜きを出来る人間であれば
これほどの大怪我は、しなかったかもしれません。
ハヤブサが47歳で死んでしまったという事は
プロレスファンにとって、あまりにも残酷な結末で、
2001年の大怪我から懸命にリハビリを続けて、
いま2016年ですよね。もう一度リングに戻ろうと
2016年まで戦った人です。彼の戦いは今年、終わりました。
インディーという名の開拓地_c0027929_2325367.jpg

でも、彼の人生を自分の知ってる限りで思い返すと・・・
ハヤブサは車椅子に座ってからもプロレスをしてたのかもしれません。
首から上が動くなら・・・という思いもあったのか
リハビリを続けながら作曲もして、シンガーとしても活動をしてました。
肩書きはシンガーソングレスラーと名乗っていました。
講演会もしていました。出会う人達に自分の姿と、
自分の諦めない生き方を見せて
沢山の人を元気にしていったんだと思います。
なので今年、ハヤブサは引退したんだと思って、
彼の旅立ちを見送ろうと思います。
短いつもりが長くなってしまいました;
お付き合いありがとうございました。
by frat358 | 2016-03-04 23:06 | プロレスラー列伝
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