人気ブログランキング | 話題のタグを見る

スライディング・ヘディングシュート2


3000坪の冒険と、時々音楽すごく映画。たまにサッカー
by frat358
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事

愛と時間

愛と時間_c0027929_1324721.jpg

(今回の記事はネタバレを含みます)
「ビフォア・サンライズ」1995年
「ビフォア・サンセット」2004年
「ビフォア・ミッドナイト」2013年

「6歳のボクが~」で話題になった
リンクレイター監督の過去作。
昔からのファンにしてみれば
ビフォアシリーズのほうが印象に強いらしい。
見ず知らずの男女が電車の中で気が合い、
思い切って男のほうが電車を一緒に降りて
街を歩かないかと誘う。女は悩む。
そこを男が頑張って説得します。
で、一緒に見知らぬ駅で降りるんですが、
この時点で昼なんですけど
夜明けが来るまで2人は一緒にいます。
女性はパリ在住で男性はアメリカ在住。
しかも女性のほうは飛行機恐怖症。
男は最近、遠距離恋愛で失敗している。
互いが成熟した大人同士で、それなりに
恋愛経験も積んでいるせいか、
この恋が燃え上がっても遠距離恋愛になって
いつしか電話や手紙の関係が事務的になり、
冷めていくだろうと。そんなのは嫌なので
だったら1日だけ恋人になろうと決めます。
愛と時間_c0027929_133597.jpg

キスはするんですけど、両思いの若い男女が
二人きりで朝まで一緒に居るとなれば、
セックスするのか気になるところですけど。
明日には別れる事に決めているし
結びつきが深くなり過ぎると後がツライし、
そこは・・・どうしよっかなーって
二人とも悩んでるのか悩んでないのか
真夜中なのに、やたら話しながら歩く(笑)
もう歩くのやめたら?って見てて思う頃に
「BARに入ろうよ」とか言うんですね。
そこで酒飲んで、店から出て、
じゃあどっかで休んで・・・って思いきや
また歩く(笑)この辺は結構、笑えました。
愛と時間_c0027929_1332134.jpg

「サンライズ」では出会いが描かれています。
撮影の仕方も、まるでドキュメントのようで
あんまり演出を加えていなくて、
単に2人が話している姿を撮っています。
気が合う人と幸運にも出会い、
その人を好きになって、1日中一緒に居たのに
時間を物凄く、短く感じてしまう。
その幸福感を捉えようとしてるだけです。
これが狙いなので、最初の頃の会話は
ちょっと眠くなっちゃうくらいでしたけど
じわーーーーっとした幸福感が
ゆっくりゆっくり見てる人を襲ってくるので
恋人が居ない人は懐かしく思えてしまうかも。
恋人が居る人も昔を思い出して
ニヤニヤしてしまうかもしれません。
愛と時間_c0027929_1362645.jpg

つまり、映画の中で山のように2人は話しますが
実は何を話してるかは、あんまり重要じゃないのかも。
2人で居るだけで楽しくなれてしまう、という。
それ自体が凄い事なんだと伝えたいのかもね。
愛と時間_c0027929_132057.jpg

「ビフォア・サンセット」
9年後。製作、上映も9年後に行われました。
1日だけ恋人だった2人は、どうなったのか。
「サンライズ」が曖昧な終わり方をしていたので
前作の結末も「サンセット」で説明されています。
三部作の紹介なので完全ネタバレ禁止が難しい・・・
2人は、あのあと、どうなった!?別れました。
ジェシーはその語、なんと世界をサイン会で飛び回る
売れっ子の小説家に!。代表作は・・・
セリーヌと1日だけ恋人だった日を描いた作品。
サイン会でパリに来たジェシーを待っていたのは
活動家になって世界を駆け回るセリーヌでした。
どうして別れたのか、
詳しい話は見ていただく方向で・・・

愛と時間_c0027929_13020100.jpg

今回は「限られた時間」というのを強く感じました。
一緒に居られる時間は80分ちょいで、
前回よりも会ってる時間は減ってます。
まったく泣ける場面は無いし
むしろ笑えるようになってるんですけど
前作より見てて辛かった;
別れの時間が迫ってくると、
2人は考えます。色んな人と恋をしたけど
どうしてもこの人を忘れられないのは
1日だけだったから、なのか?と。
限られた時間の中でしか愛せないから
特別な存在なのか、否か・・・
映画を見てる人も悩んでみる。。。
答えは「もしも」の世界にしか無いので
誰も答えられないんですけどね;
今回は二人とも本心を全て話します。
でも「嘘ですよー」という事に、してしまう。
嘘だと言う事で、相手に重荷を背負わせない。
それでも、どれだけ想っていたかは伝えたい。
なので伝えたあとで「嘘だよ」と言う。
嘘じゃない事も互いに気ずいてるんだけど
騙されたフリをしている。
ここまでで、9年間で2日しか会ってません;
でも互いに、人生で一番大切な人だったりします。

愛と時間_c0027929_1295323.jpg

「ビフォア・ミッドナイト」
実はね、これだけ見たかったんですよ。
でもどうせ見るなら最初から見たいなーと。
とはいえ最初から見ると全部で何時間だ?と・・・
そんな訳で見る気分になるのは時間かかりました。
1日だけ恋人だった日から18年後。
どれだけ異常な三部作か、
分かっていただけたでしょうか;
実際に18年が経過してから製作、上映。
再会した2人は、どうなった!?結婚しました。
愛と時間_c0027929_1414565.jpg

出会いと再会を描いてきたビフォアシリーズですが、
最終章の「ミッドナイト」では倦怠期を描いてます。
2日しか時間を共有できなかった2人は結婚し、
夫婦になった事で、9年も一緒に過ごしました。
お互いに遠慮が無くなり、
なんでもぶつけあう関係に変わっています。
でも喧嘩をするたびに、相手を責めてるハズが
自分の短所を責められてる気持ちにもなって、
お互いが参ってしまう関係になっている。
愛と時間_c0027929_1284412.jpg

3日かけて3つ見ましたけど、
セリーヌのほうが早く老けていく、というか
イーサン・ホークという役者が時間経過しても
ほとんど印象が変わらない変な生命体なので
余計にセリーヌが老けた事が強調して感じてしまう。
それを逆手に取って、セリーヌのほうだけが
自分の容姿が変化している事を気にしてる、という
設定を盛り込んでるように見えました。
なんというか・・・最初の「サンライズ」が
一番よかったかな(笑)最初は見てて眠くなったけど
表現方法が荒っぽくて、尖ってるので、
若かった頃のリンクレイター監督の良さが感じられる。
サンライズはラストも凄く良いと思うし・・・
愛と時間_c0027929_1291265.jpg

「時間経過を撮る」という手法は
間違いなく「6歳のボクが大人になるまで」が
最も秀逸に撮影できてると思います。
ビフォアシリーズでの経験を活かしたんだな、と
「6歳のボク」を見た後なせいか、思ったし。
あと、ビフォア・ミッドナイトでは
ジェシーとセリーヌの大喧嘩を初めて撮影しています。
今までの2作で2人のラブラブっぷりを見てきた人は
非常にショックを受けると思いますけど;
大喧嘩も時間の経過が生み出したモノ、という感じで
メチャクチャに相手を責めるようになる為に
9年かかってる訳ですよ。セリーヌのほうは
喧嘩する事でスッキリしてる面もあるんだけど
ジェシーのほうはセリーヌに言葉で責められると
グッタリしてしまいます。この辺も上手いですね。
こういうのも男と女の違いかもしれません。
あと、凄いリアルだなーと思ったのが
セリーヌがオッパイを見せた状態で
大事な話や感情的なやり取りをジェシーとする場面。
愛が残ってるかは別にして、間違いなく確実に
相手に対して、恥じらいは消えてるっていう。
私なんかはセリーヌの胸を見るのは初めてなので
話してる時も揺れてるオッパイに目が釘付けなのですが
夫のジェシーは全然、気にしないで話をしてる。
9年を共に過ごした夫婦の喧嘩に
観客として参加しているような、不思議な気分でした。
愛と時間_c0027929_139055.jpg

物凄く救われた気分になる場所に映画は着地するので
見てみたい方は心配せずに、見てください。


by frat358 | 2015-08-03 01:42 | DVDエラー大嫌い
<< 孤高の芸術家 カリフォルニア大干ばつ5年目 >>


検索
記事ランキング
超私的どこでもドア
お気に入りブログ
-
最新の記事