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スライディング・ヘディングシュート2


3000坪の冒険と、時々音楽すごく映画。たまにサッカー
by frat358
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善悪シーソー

善悪シーソー_c0027929_21221754.jpg

アメリカでは年間80万人の子供が失踪する。
大抵は数日で発見されるものの
何故か80万人の失踪者の中で
毎年1000人だけは、なんの痕跡もなく
一切の証拠も残さず、忽然と消えてしまう。



そんな、私達の住む世界の現実を背景に描かれた、
フランス人監督パスカル・ロジェが
脚本も担当した自主映画。彼はフランス人ですが
アメリカが舞台という事もあってか
作品の中では英語が採用されています。

なんかねー、序盤が終わると
そのままクライマックスに突入する、
お約束の構成を吹っ飛ばした作品です。
ずーっとクライマックスが続いて、
本来クライマックスになる時間帯は
とても静かに、とても怖く進行する。
見ながら「多分こうなんだろうな」って
誰もが想像すると思うんですけど、
まあ予想している方向へ行くんだけど
映画の展開に振り回されること間違いなし。
いわゆる「ハリウッド映画」では無いんですが
これをハリウッドで撮ろうと思ったら
たぶん許可は出ないと思います。
スポンサーも付かないんじゃないかな。
ホラーというよりはミステリー映画でした。
特に残虐なシーンは存在しないし。
投げてくるメッセージは
とんでもないですけど・・・


========ここから完全ネタバレ==========










見てる人は主人公の目線で映画を見るのが基本なので、
主役は軸になってストーリーを引っ張るものですが、
基本的に主役というのは「善」ですよね。
見てる人は自分の中にある「善」を物差しにして
映画の世界に入っていくのが一般的なんですけど、
トールマンという作品では
「善」→「悪」→「善?」という存在になっていくので
見てるこっちは振り回されっぱなし。

人生を環境が左右する事があるのは
確かに・・・そうです。
虐待する親、貧乏な親、色んな親が居て。
貧乏な親に生まれた子は、貧乏。
その子が生む子も、また貧乏。
基本的には、そういうサイクルになってます。
この循環を個人が断ち切るには
凄いエネルギーが必要なのかもしれません。
感心したのは暴力うずまく貧乏家庭の夫婦が
殺し合いのような喧嘩をするのに
笑いあって喧嘩が終わる場面。
夫婦も、好きか嫌いかで分けれるほど
単純な関係ではない、という。
トールマンのメッセージも善と悪で分けれるほど
単純ではなく、正解も恐らく無いと思います。
大人になれば良くも悪くも社会に出れますけど、
でも子供の時に「ここから出して!」と願うなら、
トールマンのような存在以外、出られないのも事実。
親権というのがありますからね。
親に殺されてしまう子供だって居るんだし・・・
トールマンにさらわれた子供達が
心の奥に在るものを失うのも事実。
もしトールマンが本当に居るのなら、
いずれは失ったものとの対峙が
1000人の子供達に待っているのかもしれません。
by frat358 | 2013-09-18 21:26 | DVDエラー大嫌い
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