スライディング・ヘディングシュート2


3000坪の冒険と、時々音楽すごく映画。たまにサッカー
by frat358
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まとめます。



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リンキン・パークへの第一印象は、良くなかったです。
ラップと激しいロックを組み合わせたバンドとしては
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンが最初に成功しました。
私はこういったサウンドの元祖は勝手にアンスラックスだと思ってますが
まあ、それは置いといて。レイジは政治的なメッセージの曲が多く、
サウンドは好きだけど思想的に共感できない人も居ました。

そこにリンプ・ビズキットというバンドが
生活苦、苛立ち、性欲など、アメリカの若い子にとって
実感できる事象や感情を歌って大人気になります。
レイジとリンプ・ビズキットはメッセージ性の違いもあって
ファンや一部のメンバーが対立構造になり、
ちょっとした騒ぎになったりもしました。
(音楽の式典でリンプの受賞中に、レイジのベーシストが乱入)
その直後、レイジはボーカルのザックは脱退。バンドは解散し、
数年後にはリンプ・ビズキットもメンバー脱退で勢いを失った。
それ以降、まるで業界の空洞を埋めるかのように現れたのが、
ヒット曲の連発を始めたリンキン・パークでした。









1999年にフジロックでレイジを見て以来、
短期間だったけどレイジに、強烈に惹かれました。
でもその熱は、彼らの解散であっという間に冷めてしまいます。
当時の私はレイジが解散してしまった空洞に耐えられない面もあり、
リンプ・ビズキットのパーティーソングやシモネタにも熱狂できず、
友人が持ってきたリンキン・パークのCDを貸してもらっても
「ああ、リンキンね。聞いたことあるよ。ああ、ああ」という感じで
歌詞を眺めてみても、なるほど・・・なるほどねえ・・・
レイジやリンプが扱っていなかった内的な苦悩や狂気を歌ってるんだな、
そっかーという感じで。いい曲だし私の好きなコード進行も多い。
ボーカルも気に入ったけど、彼らを少し冷めた感情で見ていました。


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そんな私のリンキン・パークへの印象を変えたのが
テレビで偶然に見かけたライブ映像でした。チェスターは汗を滝のように流しながら
breaking the habitを歌ってました。それは物凄い迫力で。
その後に普段の会話してるチェスターが映ったとき、彼の声が部屋で響いて
空間がビリビリしてました。歌う為に生まれたような男だと思った。


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その後、少し調べてみると中心メンバーのマイク・シノダは
若い頃にアンスラックスのライブを見た衝撃でバンドを始めたと知り、
なんだ!こいつらは俺の兄弟みたいなもんじゃないか!と勝手に思い、
チェスターが同学年なのも手伝って、急激に彼らを好きになりました。

トドメになったのが、丁度発売されたminutes to midnightでした。
変な話ですが、長年のリンキン・パークファンが非難する作品ほど
私は異様に気に入ってました。そして私が大絶賛したThousand Sunsは
ビックリするくらい売れなかった。


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彼らの感性が柔らかくなっていくほど私の好みになっていき、
激しさを支持していたファンからは物足りない。そんな感じかなと思いました。
迷走の末に発売したThe Hunting Partyはゴリゴリのへヴィーロックだけど
なんか・・・無理してるような、心配になる感じで。
Guilty All the Sameが好きな曲だけど、もっと曲を短くして
分かりやすくしたほうがエネルギーのある曲になったと思う。
部分的にですけど、迷走してると感じました。
それでもラスト曲のFinal Masqueradeが良い出来だったので救われましたが。
やっぱりこのバンドは繊細な音作りとメロディー重視の中に、
エッセンスとして激しいギターが鳴るべきだと再確認しました。


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そして2017年に発売したOne More Lightを聞いたときは、
そうだよ!そっちでいいんだよ!もう悩むな!そっちでいけ!と。
柔らかくなっていく彼らの成長を確信するような作品でした。
売上は落ちました。でもそれはダウンロード時代の影響もあるし、
ライブを見ると最前列周辺に女性ファンが増えているように見えたし、
若くて新しいファンを獲得しているようで、
このまま柔らかい世界観を続けていくべきだと尚更、思った。
CDが売れない時代になって、私が思っていたのは・・・
ファンが10万人居れば、音楽だけで食っていける。
世界規模でファンが100万人居れば、世界ツアーも出来る。
売上が落ちたとは言っても、この10万、100万というノルマを
リンキン・パークは常にクリアしていました。
なので、あんまり心配してなかった。







歌詞もゆっくりと変化して、若かった頃の作品のような、
俺は気が狂ってるから愛してる人を近ずけたくない!みたいな
狂気と正気を行き来しているような歌詞が減っていき、
倒れて動けなくなってる人を助けようとするような曲が増えて、
地獄の淵から生きようとする内面が見え隠れしてました。


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たぶん5年、10年も経てば、もっと優しいサウンドになるだろうと。
それはレイジもリンプも辿り着けなかった場所で、
リンキン・パークは誰にも似てないバンドに成って、
なおかつ更に先へ進んでいく。それをリアルタイムで聞けると
当たり前のように思ってましたが。今年の5月に
サウンド・ガーデンのクリス・コーネルが亡くなり、
2ヶ月と少しが経過すると、クリスの誕生日にチェスターは後を追いました。






一度もチェスターが死ぬ事を考えた事がなかった。
彼が死んだと聞いて、動悸がする、めまいがする、何も考えられない。
そう感じたファンは多かったです。本当に不思議です。
とてつもない闇を抱えた叫びを、何度も何度も歌ってたのに。
まったくこういう事が起きるのを、想像してなかった。
彼の歌声は、あまりにも素晴らしくて、心配する前に感動が来て、
感動のあとは褒め言葉しか出てこない。
表現者としての評価で思考が止まってました。
ロックシンガーとしては本当に珍しく、謙虚で、優しくて、
誰にでも好かれた人でした。笑顔が似合う人だった。







全部、歌にして放出しているから、普段は落ち着いてるのかなって
そう思ったことはありますけど。酒は飲んでいたようですが
ドラッグも見当たらないようだし。鬱を抱えていたようですけど
それはミュージシャンとしては珍しくないというか・・・
あまり語られることはないですけど、ほとんどのミュージシャンは
鬱病と付き合いながら暮らしてます。治療を受ける人も多い。


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これは、死の直前のチェスターらしいです。
海外では今、車内でカラオケする姿を撮影するのが
流行ってるらしくて、リンキン・パークも応じたと。
話す言葉、見せる笑顔、全く彼の闇を私は感じ取れなかった。
そういえばクリス・コーネルもそうでした。
亡くなる前の演奏する姿は、直後に命を絶つようには
まったく見えなかった。







話した事もないし、会った事もないし。言語も違うので
会ったところで会話が出来る訳でもない。
会いに言っても遠くて、米粒みたいな小ささで、大声を出しても
聞こえるハズもない。ロックスターは、そんな存在です。
でもそんな存在なのに、仲間のように思えたり、
兄弟のようにに思えたりする。
彼らの死は、ファンの心に空洞を作ってしまいます。

クリス・コーネルが死んだ時、
チェスターも同じような空洞を抱えたのかもしれません。
しかも、憧れの人を遠くから見ていたのではなく
一緒に歌ったり話したり、夢を一緒に追えたのだとしたら、
もっとショックは大きいのかもしれません。

日本ではあまり聞かない話ですが、海外だと
亡くなった大切の人の記念日や誕生日に、後を追う事はあるそうです。
ドアーズでボーカルだったジム・モリソンの妻、
パムさんもそうでした。遺書も無いし、チェスターが意図的に
クリスの誕生日に追ったのかは、分からないですけど。
でも現場には半分まで飲んだボトルが転がっていたらしく、
恐らくストレートで飲んだのだと思います。
今日しかないという思いで、この日に去ったのかもしれません。


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最近は猛暑が続いていて、暑いのに慣れたと思っていたのに
とても働けないような日々が続いています。
夕方が近くなると雷雲が近ずいてきて、滝のような雨を降らします。
オーストラリアでは雨が降ると洗濯を干すそうです。
空気が乾燥しているので、雨に濡れるくらいが丁度いいらしい。
私も激しい雨が降り出したところで農作業をしてみました。
強い風と、強い雨。肌が痛いくらいで、遠くもよく見えない。
そんな中でリンキン・パークをウォークマンで聞いていたら、
彼らの音楽が雷雨に、とんでもなくハマっている事に気ずきました。

サザン・オールスターズの音は、真昼の浜辺が似合います。
デフ・レパードは夕日の海岸線が似合う音です。
ガンズ&ローゼズは真夜中の高速道路や、夜の都会が似合う音。
リンキン・パークは豪雨が似合う音だったのかと。

でも最近の彼らは豪雨の後の虹のような音も作っていて、
たぶん私は、そこに惹かれたのだと思います。







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by frat358 | 2017-07-29 15:45 | | Comments(2)
Commented by えり at 2017-08-02 08:05 x
やばい…いま通勤中で電車の中なの。泣きそうになってきたからコメント書けない。
Commented by frat358 at 2017-08-03 20:10
毎回そうだけど長くなってしまって、すまんな;奥さんのコメントやバンドからの公式発表とか、色々と読んだりしながら、故人になった事を少しづつ実感してる。以前から作業中に聞いてたけど、最近はウォークマンでの曲数を増やした。いいバンドだ。
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