スライディング・ヘディングシュート2


3000坪の冒険と、時々音楽すごく映画。たまにサッカー
by frat358
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優しい大巨人



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アンドレ・ザ・ジャイアントは・・・公式だと
身長が223センチ、体重236キロという事になってます。
でも彼の身近で世話をしていた人間は、声を合わせて
「いや、もっと大きかった。もっと重かったと思う」と。
履いていた靴のサイズは38センチもあったそうです。

基本的にレスラーは自分を大きく見せる為に
身長や体重でサバを読みやすいです。本人が嘘を嫌がっても
団体の意向により、実際の身長より大きく書かれる事がある。


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でもアンドレの場合は、自分を実際よりも
大きく見せる事には・・・興味が無かったようです。
240センチくらいの高さにあるライトに頭をぶつけたり、
亡くなるまで身長が伸びていたと言われてるので
実際には245センチとか、途方もない身長だった可能性があります。

身体の大きいレスラーは他にも沢山いましたが、アンドレのように
体重もあって、なおかつ飛び技まで可能だったのは人類初でした。
大きさ、技のダメージなどで、比較できるレスラーが居ません。


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3カウントを奪われることを極度に嫌がり、その代わりに
自分が投げられる事には、あまり抵抗が無かったそうです。
相手が優秀なレスラーであれば、タイミングを合わせて
投げさせてくれる寛容さもありました。
アンドレを投げたレスラーは数人ほど居ますけど、
「投げる事が出来たのはアンドレが優しいから」と話していたのを
私は印象深く記憶しています。


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アンドレは日本でも長く活躍しましたが、
日本人が嫌いだったそうです。
本国のアメリカでもアンドレが歩いていれば目立つし、
好奇の目で見られたそうですけど。日本人というのは
遠巻きに、指をさしてくると。当時は外人自体が珍しかったし、
なおかつ220センチ以上の大男となれば、何処へ行っても
指をさされて「すげえ!でけえ!」と。
これでは人間関係が築けない。

自分を怪物のような存在ではなく、人として扱ってくれれば
とても友好的だったそうで、問題があったのはアンドレではなく、
日本人の反応だったように自分には思えます。


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ある日、新日本プロレスでの試合で、アンドレが対戦相手の前田日明を
「殺す」と言って大騒ぎになった事があります。
「前田はプロレスを舐めてる。今日の仕事は前田を殺す事だ」と;

アメリカのレスラーは試合前に大口を叩くのが当たり前なんですけど、
猪木や藤原、アンドレの世話もしていたレフェリーの高橋氏は
いつもは穏やかなアンドレが異常な事を言うので、
大変な事が起きると感じたようで、試合中もリングの周りを囲んで
取り返しのつかない事が起きないように備えました。
イザとなれば猪木や藤原がリングに乱入して、
グチャグチャの没収試合にしようと考えていたのが
当時の試合映像を見ると垣間見えます。









前田の蹴りを受けても全くリアクションをしないアンドレ。
足を取られてアキレス腱を決められても痛がる様子を見せない。
馬乗りにされると腕力で前田を倒して上に乗り、
かと思えば、立ち上がる時の無防備な前田には手を出さない。
まったく、噛み合わない。こりゃダメだと感じた猪木は
リングに乱入して、没収試合にしてしまいました。
痛がらない、付き合わない、反撃しない。
前田さんの良さを全否定したような試合で、
ある意味では「殺した」と言える内容だったと思います。




職業がプロレスラーなので不思議に思うかもしれませんが、
アンドレは人を傷つけるのが大嫌いだったそうです。
いつも対戦相手が自分のせいで怪我をしないか心配してたと。
自分が怪我をした時は相手に寛容で、
俺のせいさ!気にするな。でもこれは、君が怪我させたという事にしよう、
そうすれば君はアンドレを負傷させた男として有名になれる。
俺が復帰した時は因縁試合になって盛り上がるよ、と言って
相手をかばってくれたそうです。

前田さんというのは、アンドレとは真逆のレスラーで、
膝の裏を蹴ったり、顔を蹴ったり、鍛えられない場所に向かって
本気で蹴りを出してくるレスラーでした。その姿勢を
プロレスファンは熱狂的に支持した面もあるのですが、
相手に怪我をさせる事を躊躇しない前田さんの戦い方は、
アンドレにすれば許せなかったのかなと、今では思います。
前田さんは先輩だった長州力の目を試合中に蹴り、
怪我をさせた事で団体を解雇され、格闘技の道へ進みます。


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アンドレと言えば大酒飲みでも有名で、もはやそれを
アル中という言葉で表現すべきなのかどうか;
ビール瓶で80本以上も飲んで店を追い出されたり、
付き合いで飲んでた人がぶっ倒れても酒を飲みたがり、
そのまま朝まで帰ってこなかった(1人で飲んでた)とか、
300本くらい飲んだ時は、さすがに気絶したそうですが;
晩年はワインが好きだったそうですけど
水を飲むみたいにジャンジャン飲んでしまうので
プレゼントにワインを1ダースとか渡しても
あっという間に一瞬で飲んでしまったそうです。
どんなに飲んでも酔い潰れない事でも有名でした。


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晩年は文学映画に出たりもしてましたが、
プロレスを引退すると、農場を買って
牛や馬、犬などを飼って暮らしていたそうです。
人間との付き合いは友人だけになり、
動物達はアンドレを好奇の目で見る事が無く、
やっと落ち着いた生活を手に入れました。
しかし大酒飲みなのは相変わらずで、運動をしなくなったのに
大量の酒を飲み続けた事が悪影響となったのか、
46歳で亡くなりました。


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晩年に全日本プロレスで馬場さんとタッグを組んでいた頃、
アンドレは膝が悪くなっていて、あまり動けませんでしたが
日本人を嫌いながら悪役をしていた頃とは違って、
声援に笑顔で応えたり、手を挙げてアピールする事もありました。
アンドレが変わったのではなく、日本人がアンドレという人間を
好奇の目ではなく、好きなレスラーとして声援できるまでに成長し、
その成長に、アンドレが笑顔で応えてくれたのかもしれません。
アンドレが生前に残していた遺言はただひとつ。
土葬ではなく、火葬してくれ。というものでした。

現在、アンドレの伝記映画が製作中らしいです。
そちらも楽しみに待とうと思います。






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by frat358 | 2017-07-28 17:16 | プロレスラー列伝 | Comments(2)
Commented by えり at 2017-08-02 06:51 x
この人の名前は知っていたけれど、詳しくなかったからこの記事面白かったよ。どこの国の人なの?ロシア系?前田氏がそういう類の方とは知りませんでした。
Commented by frat358 at 2017-08-03 20:06
アンドレはフランス人なんだけど、ブルガリア系らしいよ。ポーランドの血も入ってたかな。当時の前田さんは、向こうがその気ならやってやりますよって試合前に猪木とか藤原に言ったらしいんだけど、「おまえ・・・そんな調子だと本当に殺されるぞ」って顔面蒼白で言われたそうな。猪木のように何度もアンドレと戦ってれば、アンドレがどれだけ手加減して戦ってるか分かるのかもね。アンドレが自分の強さを誇示するような人間だったら、本当に前田さんはヤバかったかもしれない;でもそうじゃないからこそ、アンドレは沢山の仕事と信頼を得ていたんだと思う。
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