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スライディング・ヘディングシュート2


3000坪の冒険と、時々音楽すごく映画。たまにサッカー
by frat358
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もっともっともっとの世界



いやーこれは見たいな。凄く見たい。
人権侵害エンターテイメント。
原題は「 WHIPLASH(ウィップラッシュ)」
なんですけど。日本では「セッション」って・・・
WHIPLASHのままが良いと思うが・・・

皆さんこの映像見て、酷いと思います?
私ね、小学生の頃に合唱団に居たんですけど、
どういう訳か、運がいいのか悪いのか、
当時日本で唯一、世界中から招待されるような
物凄いレベルの合唱団に入っちゃったんですよ。
ヨーロッパでツアー組んでも全公演満員とかね。
ヨハネ・パウロ2世が聞いてくれたりとかさ。
そういうレベルの場所に居たんですよ。
で、どんなトレーニングしてたと思います?
もう、この映像みたいな感じですよ(笑)
腹筋は痙攣するし、歌いすぎて倒れる子も続出。
暴力は一切無かったです。それは誓って、無いです。
でも追い求めてるレベルとか追求していく姿勢とかがね、
世界で通用するとこまでいくとね・・・
こんな感じになっちゃうんですよ。恐ろしいですねえ・・・
日体大に居た友人が谷亮子さんのトレーニングを見てたら
見てるだけで吐きそうになるほど凄かったと
話してたのを憶えています。ちなみに私の友人で
最もマッチョで最も運動能力が高かった友人は、
柔道の古賀選手に鍛えられて、あまりにも凄すぎて
逃げたそうです。私もね、何度も何度も
くじけそうになったんですよ合唱団で。
でも拍手を貰えた時に、拍手に値する努力をしたと
胸を張って思えたんですよ。誇りを貰えたんです。
でも一度だけ本気で辞めようと思った時があってさ。
TV放送のリハーサルで、顔が暗いって指導者に言われてね、
鏡の前に連れて行かれて、お前だけ笑う練習しろって
言われたんですよ。みんなは歌ってるのにだよ?
同じ部屋で、俺だけ全身が映る鏡を目の前にしながら
笑う練習する訳よ。もうね、屈辱だと思ってさ。
もう耐えられないと思って一晩、悩みましたけど。
親に話したら「今回は辞めてもいい」って言うし。
でも結局、プロとして現場に呼ばれて、
笑顔を要求されてたって事だよな、と。
「帰れ」ではなく「笑え」だったんだから、
まだマシかなと思って。それでそこも耐えたんだわ。

で、私が卒業した翌年に、ヨーロッパで
世界一の合唱団、という称号を貰ったんだっけか。
それを聞いたときにね、ああ、俺達って
世界一になれるトレーニングをしてたのかと(笑)
参った参った、それできつかったのねと(笑)
卒業してから気ずきましたけどね。
いやほんとにね、凄い指導者でした。
50人くらいで唄ってるのにさ、ブレスを忘れて
ながーく息が吸えないまま歌っちゃった時があるのね。
50人が歌ってるのに俺がブレスを忘れて
苦しんでる歌声なのを見抜いてて、曲が終わった後に
「ありがとう」って言われたんですよ。
え!聞こえてたんですか!?って内心ビビりました。
一回もコッチ見てないのにさ・・・
結局、指導者が世界一だったんじゃないかと
今の年齢になると思いますけどね;
いやでも、塾の勉強とか習い事とか
学校の授業をしながら
卒業までトレーニングに耐え抜いたんだから
それはそれで財産だと思ってますけど。
ただ、そこまでして培った財産なのに
声変わりすると消えちゃうのがね。
児童合唱って切ないよね・・・

とはいえ、私が耐え抜いたのは4~5年ですよ。
10年や20年では無い訳で。
でも世界には3回連続で金メダルを取る人や
40歳になっても世界レベルで競技する人が居る。
もう・・・そんなのは・・・私とは別次元です。
やり抜いた事が同じでもね、それを維持し続けるのは
別次元のレベルだと思ってます。
まったく肩を並べてるとは感じないです;
カール・ルイスとか、イチローとか、カレリンとか、
未知の世界の偉大な人達って感じ・・・

ただ私は、こういう没頭して上達する世界しか
知らなかったですから、学生時代にバンド練習しても
こういうノリで挑みやすい思考があったんですよ。
そうなると周りは付いてこれませんでした。
怯えさせてしまったんですよ。
で、ああそうか。無理に強いるようなのは
違うよなと。それは自分がやってた事とも違うなと。
自分から望んで行って、望んで耐えてたんだから
耐えたくないと思ってる人に強いるのは良くないと思い、
周りの雰囲気に合わせるようにしたんですけど
そしたら結構、簡単に崩壊して解散しましたね(笑)
まあ、ここまでしなくてもね、
人生楽しくやっていけるのも事実で。
やるかどうかで、勝ちでも負けでもないし。
ただ、ここまでやっちゃうと・・・
その後の人生で結構困っちゃうだろうなと。
あの頃の極限状態が恋しいなんて思わないですが、
このあと、人生でどんな事があるのー?って
舐めてるとかじゃなくて、
変な達観が来やすいんじゃないかなと。
WHIPLASHの主人公もスティックを置く日は
必ず来ますし、腱鞘炎で以前のように
叩けなくなる日が遅かれ早かれ来るかもしれません。
その後、どんな気持ちで生きるのかは
恐らく映画に出てこないと思いますけど、
そっちのほうも気になってしまう年齢のフラでした。
もっともっともっとの世界_c0027929_16210384.jpg

自分で思いついて「もっともっとの世界」って
日記タイトル書いたんですけど
日本版のポスターも「もっともっと」って書いてあり驚いた。
努力とは、自身の限界を更新していく行為です。
人は何かを始めると、どんな事でもある程度までは
自身の限界を更新できます。
でもそこを更に超えた限界を更新するには、
時には他者から見れば狂気にも似た努力が
必要だったりすると、私は思うんです。
なので私は予告を見ても酷いとは思わない。
顔を叩いてるのも、テンポが分からないなら
身体で覚えろという意図があると思います。
世界レベルの人って世界には沢山居るんですけど、
その中で頭一つ抜け出すのが、どういう事なのかを
見せてくれる映画だといいなと思います。





by frat358 | 2015-02-14 02:21 | DVDエラー大嫌い
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