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スライディング・ヘディングシュート2


3000坪の冒険と、時々音楽すごく映画。たまにサッカー
by frat358
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涙も出ない

涙も出ない_c0027929_0432997.jpg

「Inside Llewyn Davis 名もなき男の歌」

「ノーカントリー」で有名になった
コーウェン兄弟のコメディ作品。
1961年・・・フォークシンガーの時代。
相棒を亡くし、ソロで歌ってみるものの
全く売れないルーウィン・デイビスが主役。
ボブ・ディランが世に出てくる直前を描いてます。
コメディー映画だと聞いてたんですけど
メチャクチャ暗くて全然笑えないわ・・・
主役が、とても音楽に対して誠実なので
「愛おしい!」っていう表現の仕方は
分からないでもないけど・・・。
というか私ね、苦労したミュージシャンが
成功する映画とか伝説のシンガーの
実話ベース自伝映画とかは
もう見飽きたというか、興味なかったので。
全く売れないフォークシンガーを描いた今作は
とても興味深かったんですけどね。
実際に見てみると、あまりにも上手くいかないので
見ててつらくなったよ(笑)
涙も出ない_c0027929_052118.jpg

当時のフォークシンガー達は、この映画を見て
「トーンが暗すぎてガッカリした」という感想が多く、
お気に召さない有名シンガーだらけみたいですが。
でもこれねえ・・・多分だけどね、
今の時代とリンクさせるように作ったんだと思います。
1961年に活躍したシンガーを題材にするのは
そんなに難しい事じゃないんですよ。
この時代を再現した映画を撮るのも難しくない。
でも全く知られていない、というか架空の人物を
あえて主役にして、誰も知らない歌を唄わせて
(なかには民謡もあるみたいですけど)
いったい、これはいつの時代なんだ?と思えるような
不思議な時代感をワザと作ってるんだろうな、と。
会話に出てくる言葉使いとかは現代チックだし。
その不思議感がミソなんだろうなーと。
あと、ジャスティン・ティンバ-レイクが出てる。
知ってます?アイドルだった人です。



↑こんなの唄ってた人なんですけど。
イン・シンクっていうアイドルグループで
センターやってたりもしたし、ソロでも有名。
この映画では、こんなの唄ってます↓



右に居るのがジャスティンです。
故郷を~離れて~500マイル~♪
こんな姿では~もうふるさとに~帰れない~♪
何故か観客まで歌いだして主役のルーウィンが
「え・・・なにこの空気・・・」っていう場面。
見てる間は誰だか分からんかった;
歌声もアイドルやってた頃とは違うし・・・
涙も出ない_c0027929_0395978.jpg

真面目なルーウィンがとことん上手くいかなくて
不真面目な楽曲がドカーンといっちゃうとかね、
凄い皮肉を入れてたりするんですよ。
必死に頑張ってる人は頑張るだけで終わって、
ちょっと頑張った人がポンポンポーンと上がっていくとか。
この皮肉を笑えるかどうかって部分と、
好きな事してるだけで人間として扱われない主人公を
愛おしく笑いながら見れるか?っていう。。。
私は笑えなかったんですよね。
無駄に真面目な性格だからだと思います。
タモリが「俺はこの業界で真面目にやってるヤツが
大嫌いだ」って話したのが有名ですけど・・・
これってね、きっとね、
真面目か、不真面目かっていう事じゃないんですよ。
表現するって事は根本的に途方もない喜びで、
そこを難しい顔で進んで行っちゃうと
どんなに頑張ってもダメだったりするのかなーって。
真剣だから売れないんです、ルーウィンは。
真剣過ぎて、表現する喜びが観客に届かなかった。
物凄い残酷な事を描いてる映画だと感じました。
ほんとね、こんな悲しい映画、久々に見た。
でもダメな人も、こんなに素敵でしょ?とか、
この最悪にダメな人、気になるでしょ?っていう
コーウェン兄弟の優しさが少し感じられて、
誰も見捨てずに幕を閉じていくような
不思議な映画でした。まあ笑えんよ、この映画は;



2ヶ所しか行ってないじゃん・・・
by frat358 | 2015-02-04 00:53 | DVDエラー大嫌い
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