スライディング・ヘディングシュート2


3000坪の冒険と、時々音楽すごく映画。たまにサッカー
by frat358
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我、命ある限り、ビッチを愛す。

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いやそんなこと言ってませんが;
画家の世界で有名な悪妻と言えば
ダリの奥さんだと思います。ガラという女性。
彼女はダリの才能を活用して様々な
金儲けの手段を考えました。
特にアメリカに居た頃はダリの評価が
極めて高いのを知ると、何枚もサインを
ダリに書かせたり、肖像画の依頼を受けさせて
大儲けしました。その姿は金の亡者とさえ
世間から言われましたが、ダリ本人は
その批判さえも面白がって
「こんにちわ!金の亡者です!」
くらいの勢いで自分のキャラにしました。
絵を描くだけだったダリが
お金に困らなかったのは
ガラのおかげでもあります。
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戦渦を逃れてアメリカに住む頃には
だんだん容姿自体がギャグというか
芸術になりつつありますが、
本人いわく、ヒゲは水飴で固めてたそうです。
アメリカ在住時には、
たとえ関係者であってもダリに会う為には
ガラに貢物をしないと会えなかった。
貴金属やら何やら・・・
ガラ本人は若い男と遊びまわり、
ダリへの愛情を感じさせない時期となります。
それでもダリは、ひたすらにガラを愛します。
何度も何度も、自分の作品でガラを描き、
常にガラへの愛と、感謝と、尊敬を貫きます。
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これは私が驚いたダリの絵。
マスターベーションするヒトラーが描かれてます;
第二次世界大戦の頃は、沢山の芸術家が
ヒトラーを批判した芸術を発表していますが、
これほどまでに痛烈で分かりやすくて
ヒトラーが見たら怒りで卒倒しそうな表現は
他にないかもしれません。自宅の壁に
飾っておきたい部類の絵ではありませんけど
なんともダリらしい過激な表現だと思います。
そして広島と長崎に原爆が落ちると、
ダリは1枚の絵を描きます。
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「ビキニの3つのスフィンクス」
核実験が行われたビキニ島。
キノコ雲は人間の脳味噌のように描かれ、
その雲の中に、アインシュタインの横顔が
こっそり描かれています。
緑が生い茂った木には心理学者フロイトの顔が
これまたコッソリ描かれている。見つけられるかな?
アインシュタインはフロイトに
人は何故戦争をするのか、と手紙を送った事があります。
フロイトの答えが、それは人が攻撃性を持っているから。
でも芸術で心を豊かにすれば攻撃性は抑えられる。
というものでした。そんな二人を絵の中に登場させ、
海に浮かぶ島が舞台の絵なのに地面を砂漠に。
地平線の向こうにだけ海?山?が描かれています。
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以降、ダリは金遣いの荒い生活を辞めて
故郷のスペインに家を建てると、
ちまちまと増築しながら部屋に篭りっきりで
ひたすら独自の宗教画を描くようになります。
一方、奥さんのガラは古城を買って貰い、
そこに若い男を連れ込んでウッホッホな毎日。
勝手にダリが古城に来る事を許さず、
許可を取らないと奥さんに会えないダリ。
そんなになってもダリは離婚などせず、
ガラを女神として何度も絵に登場させてます。
上の絵も、女神の顔が奥さんになってる。
ある日、ダリの友達が聞いたそうです。
「気を悪くしないで欲しい。
ぶしつけで申し訳ないんだが・・・
どうして、ガラが好きなんだい?」
するとダリは人差し指と親指を出して

「ガラがこれくらいの小ささだったら
 食べちゃいたいくらい好きだ!!」
と、、、

アンサーしたそうです。
もうそれ以上は聞く気が失せたと
質問した人は、のちに語りました;
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私が、とっても悲しいなーと思うのは
ダリが美術館を建てた時、何年もかけて
天井に壁画を描いたのに、オープン日に
やってきたガラが、その絵を見ずに
帰ってしまったという話です。
壁画には天へ昇るダリとガラが
描かれています。だからこそ
見たいと思えないほどに
ガラの愛情は冷めていたのでしょうか。
見てもらえないというのは悲しい・・・

どーしてガラが、そんなに好きだったのか。
私には分かりません。ひょっとしたら
ダリ本人も分かってなかったかもしれない。
晩年、頭がボケてしまったガラは
古城を抜け出してダリの家に来てしまいます。
風呂場で大怪我をしたりなどもあって、
その後、亡くなってしまいます。
ガラの葬式では非常に冷静だったダリ。
しかし数日後に棺がある部屋で
大声が聞こえて、警備員が駆けつけると
号泣するダリの姿が在ったそうです。

老いも影響していたと思いますが、
奥さんが亡くなってからは
絵を描かなくなってしまったダリ。
奥さんが生きている時でも
晩年は全く会えなかったのに。
生きていてくれるだけで充分だと、
そういう境地に達していたのでしょうか。
ある評論家は、ガラを女神と考える事で
男と遊びまわる姿を見つめる苦しみから
自分を救ったのでは、と話してましたけど。
どうだったんでしょうね。
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晩年のダリ。
物静かで優しい人格であると同時に
「写真を撮りにきてください。
 私いま、死にかけてるので是非」
なんて事をカメラマンに頼むような
露出狂でもありました。
変な人。この言葉が都合よく合いますが、
最後まで愛を貫いたダリさんでした。


狂人と私の唯一の違いは、
私が狂っていないという事だ。
              BYダリ。
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by frat358 | 2010-12-27 10:08 | イルマ侍
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