人気ブログランキング | 話題のタグを見る

スライディング・ヘディングシュート2


3000坪の冒険と、時々音楽すごく映画。たまにサッカー
by frat358
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事

好きなこと・爆弾処理

好きなこと・爆弾処理_c0027929_19584184.jpg

戦場が好きな人というのは
確実に居ます。でも殺し合いが
好きという訳ではないらしい。
生物は基本的に、自分の同種を
殺してしまう事を拒否するように
出来ているそうです。第二次世界大戦で
米軍兵士の発砲率が調査されましたが
発砲率は決して高くなかったそうです。
だからこそ平然と殺せる兵士にする為に
軍隊教育を改善してきた歴史がありますが
それはまあ、置いといて。

戦場が好きな人は
殺す事を楽しむ人間なのではなく
死にたい訳でもなく、
高揚感にハマってしまうというのが
最近の考え方らしいです。
自分の身に危険が迫っている状況を
楽しんでしまい、それに慣れていく事で
危険な状況に陥っても自己崩壊しない。
そういう人というのは確実に居るらしく、
戦争映画の中では、そういう人を
丁寧に描いていく事は
基本的にタブーだと思います。
「地獄の黙示録」や「プラトーン」にも
そういう匂いをさせる人物が登場しますけど
ちょっと今まで見てきた映画とは違いました。
テロとゲリラ的な襲撃が続くイラク戦争の特殊性が
そうさせたのかもしれませんけど。

主人公は独自の哲学を持ち合わせてる訳でもなく、
ただ単に「平気」なんです;
一般的な兵士よりもイラク住民と親しくなるし、
とてもリラックスして日々を過ごしている。
でも置かれている状況は明らかに異常です。
爆弾処理をしていれば野次馬が集まってきます。
でも、その群集のなかに犯人も居る場合が
非常に多いようで、爆弾を強制的に爆発させたり
いきなり撃ってくる場合もあり、
その状況下で悪気なく近寄ってくる人も居る。
だからこそ見守る兵士も
双眼鏡などを使いながら緊張して警戒します。
でも主人公は、そういう状況のなかでも
自己を保っていられる。
そのマイペースぶりが周りを混乱させます。
平然とした態度を自分への当てつけに感じたり、
チームワークを乱す主人公の自己判断を
自分の命取りにもなると考える人も居たり、
主人公こそ英雄だと考える人もいます。

ドキュメント映画のように撮影されており、
いつなにが起こるか全く分からない緊張感を
映像が保っています。なかでも感心したのが
銃撃戦のシーンで、派手に撃ち合って
相手が全滅するなら分かりやすいんですけど
実際にイラクで起きてる銃撃戦は
何処から撃ってくるか分からないし、
敵が何人居るのかも不明です。
だから相手が全滅したと思っても
昼から夕暮れまで警戒体勢だったりする。
何時間も、一瞬たりとも油断できない。
それが人間の精神を疲弊させる。
下手すると映像が間延びする「長時間の緊張」を
きっちり捉えた戦争映画は、初めて見ました。

誰かの命を救っている英雄達という描き方のほうが
見ている人には分かりやすいし、日本でも最近は
そういうタイプの映画がヒットしてます。
この映画も日本版の予告編や広告などは
なんとかしてそういう方向に持っていこうと
必至になってるように思えるのですが、
実際は「英雄的行動に泣きなさい!」みたいな
そういうのを見たい人達の脳内を
渾身の力でぶん殴るような視点で進みます。
唖然とする世界観でした。

衝撃的な映像を含みますので
注意してください↓

by frat358 | 2010-09-11 19:59 | DVDエラー大嫌い
<< アレンジの天才と、頑張る野良犬 固定ファン発生中 >>


検索
記事ランキング
超私的どこでもドア
お気に入りブログ
-
最新の記事